こんにちは。やすひろです。
今回、書評をするのは『幸せになる勇気』
2016年2月25日に発売された『幸せになる勇気』は発行部数59万部の大ベストセラー。アドラー心理学に基づいた勇気シリーズの第2弾。『嫌われる勇気』の続編です。
ベタ好きなわたしにとっては大好物の本です。
『幸せの勇気』はこんな人におすすめ
『幸せになる勇気』はこんな人におすすめです。
このうち1つでもあてはまったら、今すぐ本屋さんにダッシュしよう!
- 読書初心者
- 教育関係者
- 学びを得たい人
読書初心者
『幸せになる勇気』のページ数は約300ページあります。300ページと聞くと読書初心者は読みたくないなと思うでしょう。
安心してください。『幸せになる勇気』の本文は対話形式で書かれています。読書初心者でもストレスなくスラスラ読めます。
気づいたら読み終わっていたという読書体験ができます。
教育関係者
『幸せになる勇気』は、中学校教師となった青年がアドラーの教えは教育現場では使い物にならないと主張。その主張を哲人が1つずつ解説していくストーリー。
だから、学校の教師や塾講師など、教育関係者にとってはとても勉強になる内容が多いです。
学びを得たい人
『幸せになる勇気』には、学びのポイントがいたるところにちりばめられています。
15分読めば必ず1つ学びのポイントに遭遇します。わたしも読んでいる最中に何度も「そうなんだ」「そういうことだったんだ」と口に出しました。
『幸せの勇気』を読めば、納得できる学びを得ることができます。
【書評】わたしが得た学びランキング
それでは書評に入ります。まずは『幸せになる勇気』から得た学びをランキング形式で紹介します。
まだ、『幸せになる勇気』を読んでいない人へは完全にネタバレになります。「これから読もうと思っているのにネタバレは勘弁」というあなたは、残念ですがここでお別れしてください。
『幸せになる勇気』を読み終わったら必ずまた来てください。そして、あなたが『幸せになる勇気』から得た学びランキングをわたしに教えてください。約束ですよ。
それではランキングの発表です。
第3位 『信用』と『信頼』の違い
『信用』には他の何かしらの条件が必要。
でも『信頼』は無条件。ありのままの本人を受け入れて、何があっても信じる。自分から相手を『信頼』する。
わたしが学んだポイントは何をするにもまずは自分からということ。
信頼は伝染するのです。『幸せになる勇気』の中では尊敬、愛も伝染すると書かれています。
第2位 心を表す三角柱
三角柱を上のイラストのように、正面から2面が見えるように置く。見えている面の左側には「悪いあの人」右側には「かわいそうなわたし」と書かれている。
相談事をしてくる人の多くはこの2つのことしか語らない。
この部分を読んだとき、心臓が口から出るほどドキッとしたのを覚えています。なぜって?わたしがその代表格だと自覚しているからです。
相談事の多くは「悪いあの人」「かわいそうなわたし」である以上、今後、あなたもこの相談話を聞くことがあるでしょう。そのときはどうするか?
「聞き流しましょう」
そして自分が「悪いあの人」「かわいそうなわたし」と相手に相談をしてしまったときは聞き流されていると思いましょう。相手が話を聞いていないと思えば、話をするのをやめようと思えますから。
ちなみに正面から見えない最後の1面には「これからどうするか」と書かれています。相談事は「これからどうするか」だけを語る必要があるのです。
この部分を読んだとき『幸せになる勇気』を読み終えたら、まず「心を表す三角柱」をつくろうと決意した瞬間でした。
第1位 教育の目標は自立
自分の人生は、日々の行いは、すべて自分で決定するものなのだと教えること。そして決めることにあたって必要な材料ーたとえば知識や経験ーがあれば、それを提供していくこと。それが教育者のあるべき姿なのです。
幸せの勇気
この観点からは、3つの学びと、1つの大きな衝撃も受けました。まずは3つの学びポイントから紹介します。
教室は民主主義国家
リーダー?首相?大統領?いずれも不正解です。
なぜなら、教師は正当な選挙によって選ばれていないから。なのに教師はルールを決めて教室を支配しようとする。だから、教室が荒れる。
教室が荒れないようにするには?もう簡単ですね。これと反対の教室運営をすればいい。つまり、生徒の意見も聞けばいいということです。
教育者とは気づかせる存在
教育者とはカウンセラーであり、カウンセリングとは再教育であるこれがアドラーの教えです。
でも、多くの教育者は、自身の理想があってその理想を生徒に押し付ける。理想に反した行動をしたときに罰をあたえる。確かに、わたしもやりがちです。反省、反省。
この教育がダメだというのであれば、どうやって教育すればいいの?と疑問がわきました。
その答えは、相手は「知らないだけ」と思うこと。だから、教育者はそれに気づかせてあげればいい。ただ、それだけだそうです。大きな学びになりました。
わたしが得た副作用
相手はただ「知らないだけ」という視点はわたしに意外な副作用をもたらしました。
その副作用とは、イライラすることが減ったこと。わたしは、ささいなことでイライラすることがとても多かった。
でも、わたしをイライラさせる行動をする人たちを見て、「あ、あの人は知らないだけだ」と思うことで、イライラすることがかなり減りました。
あまり関係のない人には、これ以上踏み込みませんが、生徒たちには踏み込めばいいのです。生徒に気づかせ、考えさせる。
これがアドラーの言う教育なのでしょう。
1つの大きな衝撃
同時に1つの大きな衝撃も受けました。わたしは自立を目標に教育をしてきたつもりです。
しかし、無関心と思われてはないだろうか?
アドラー曰く生徒から尊敬されるためには生徒に関心を寄せることとだそうです。生徒に無関心と思われてしまったら生徒から尊敬はされません。尊敬されなければ話を聞いてもらう可能性も低くなります。
でも、自立支援と無関心の線引きって、とても難しいと思うのです。必要な時に必要なアドバイスをするなんて簡単なことでは?
わたしは相手の心が読める神ではありません。人間です。一般人です。凡人です。無理なことは無理なのです。
しかもアドバイスする必要なんてないのです。わたしたちに必要なのは「決断したことを応援すること」
これだと『幸せになる勇気』をただ読んだ人と差をつけることができません。この書評を読んだあなたは「決断したことを心の底から応援すること」をしましょう。
【書評】承認欲求編
つづいては承認欲求に注目して書評を書いていきます。承認欲求は段階によって引き起こす問題行動が異なります。
- 教師はどのように対応したらよいか
- わたしならどう対応するか
について書いていきます。
承認欲求とは
承認欲求とは、他者から認められたい。自分を価値ある存在として認めたいという欲求のことである。
「わたしは価値のある人間だ」と自分が思っているだけで十分なはずなのに、他人は自分のことをどう思っているのだろうか?」と他人の目が気になってしまう
だから「わたしを価値のある人間だ」と他人が認めてくれたら安心できる。こうして人は、他人からの承認を得るためにさまざまな問題行動をしてしまうのです。
問題行動の5段階
問題行動には次の5段階があると『幸せの勇気』には書かれています。
問題行動は1から始まって5にいきつきます。
- 称賛の欲求
- 注目喚起
- 権力争い
- 復讐
- 無能の証明
①『称賛の欲求』…ほめてくれ。ほめてくれ。ほめてくれ。
②『注目喚起』…自分に注目を集めるためなら手段は選ばない。
③『権力争い』…誰でもいいからかかって来いや。
④『復讐』…わたしを見てくれないなら恨んでやる。
⑤『無能の証明』…もういい。ほっといてくれ。
教師に任された重大な役割
教師に任された役割は、生徒の問題行動を①称賛の欲求、②注目喚起、③権力争いの段階で止めておくこと。
④復讐、⑤無能の証明の段階に突入してしまうと、教師にできることは限りなく少なくなってしまいます。
できることには力を注ぎ、できないことはスパッとあきらめる。なかなか実践できないことです。
わたしがすべきこと
他人からの承認欲求について、わたしがすべきことはこの2つ。
①誰も見ていなくても、その行動をするか?
②生徒の状態を見極める
誰も見ていなくても、その行動をするか?
たとえばトイレ掃除。誰かに頼まれなくても掃除するか?誰かに褒められなくても掃除するか?
自分のしている行動は自分がしたいからしているだけで他人から褒められるためにしているのではない。
すべては自分のため。それが結果的に他人のためになるのかもしれない。
そう信じてまずは自分の影響が及ぶ範囲で自分ができることに全力を注ぐことからはじめよう。
生徒の状態を見極める
問題行動には5パターンあることが分かった。
無能の証明?と思われる生徒には今まで数多く出会ってきている気もした。おそらくこれからも出会うであろう。
生徒の許せない行動の1つに「やるべきときにやらない」ということがある。たとえば受験前。受験前なのに一切勉強しない。こういう生徒がわたしは許せなかった。。
でも今回新たな視点を授かった。もしかしたら、この生徒はこれまでの過度な期待が苦痛でたまらなかった。これから過度な期待をされずにすむのであれば「いっそ不合格になりたい」と思っているのかもしれない。
対応策は?
対応策は自分には対応できないと思うこと。
生徒の話を聞く。親が言いそうなことを言わないなど、小手先の技術ならいくらでもある。これでは、生徒にとっては過去の自分の経験にそった無用なアドバイスをする教師よりマシなレベルでしょう。
塾は学校と違って生徒はやめることができます。塾に不満がある場合、生徒は簡単にやめます。わたしも昨年はたくさん経験しました。
でも、発想を変えてください。生徒がやめないということは生徒は塾に価値観を見出しているのです。その期待を裏切らないようにしましょう。
特別なことは何もしていないのだけど?それでも生徒がやめないのであればそれが生徒にとって特別なことなのです。
まとめ
ここまで大ベストセラー『幸せになる勇気』を、わたしが得た学びランキング編と、承認欲求編に分けて書評をしてきました。簡単に振り返りましょう。
わたしが得た学びランキングは
第3位 『信用』と『信頼』の違い
第2位 心を表す三角柱
第1位 教育の目標は自立
続いて承認欲求編を簡単にまとめます。
でした。この記事を読んで『幸せの勇気』を読みたいと思ってくれたら嬉しいです。
またもうすでに『幸せの勇気』を読んだという人は、あなたにとってどこが一番学びがあったかをコメントで教えて下さい。お待ちしてます。