こんにちは。やすひろです。
わたしは20年間塾講師をしてきて、数多くの教材を作成してきました。わたしは教材をつくるときに
自分がやっても楽しいか?
を意識して教材を作るようにしています。「自分がやっても楽しいか」という視点を持たずに作成した教材を用いて授業をすると、たいていうまくいきませんでした。
いくら授業内容で楽しませようと思っても、教材の楽しさに自信がないと、積極的に教材を使用しません。
せっかく作ったのだから
と思って、無理やり使用したことも何度かあります。すると生徒たちは、口には出しませんが
なんか面白くないな
という雰囲気を出してきます。その結果、授業に沈滞ムードが漂ってしまいます。
たった1つの教材でですか?
わたしは、教材には一撃で授業を停滞させるパワーがあると思っています。だから、自分で教材を作成するときは
自分がやっても楽しいか
という視点を必ず持つようにしてください。その視点が持てないのであれば、教材をつくらないことをオススメします。
なぜ、「自分がやっても楽しいか」が大事なのか?
自分で教材を作成するときに、「自分がやっても楽しいか」という視点が大切な理由は、
教材に自信が持てるから
が一番でしょう。
たとえば、あなたが初めて作った料理。だれかに食べてもらう時に、あなたは
A 絶対おいしいから食べてみて
B 失敗しちゃった、まずいかも
どちらのセリフを発しますか?わたしは
絶対おいしいから食べてみて
と言います。そして、もし誰かに料理を作ってもらったとしても、そう言ってほしい。自分が作ったものには自信を持ちたいし、持ってほしいから。
たとえ自信が持てなかったとしても、それを口に出してはいけません。なぜなら、自信がないことは簡単に相手に伝わるから。
先ほどの料理の例だと、つくった本人が「失敗しちゃった、まずいかも」のような発言をしたら、食べた相手は、自分で判断する前に「まずいのかな?」と勝手に前提をつくってしまいます。
教材においても話は同じ。「自分がやっても楽しい」と思えない教材を使用して授業をしたら、その気持ちは生徒たちに伝わります。授業が楽しくなる可能性は低くなりますよね?
相手に前提ができてしまったら、それをくつがえすのはとても難しいです。マイナスの前提を自ら作らせるくらいなら、何も言わないほうがよっぽどマシです。
つまらない教材
わたしが作成してきて、つまらないなと思う教材の具体例を挙げていきます。あなたの教材づくりの参考になったら、うれしいです。
①余白がない
②再利用できない
③使い切れない
①余白がない
余白の有無の基準は、その教材に答えが書き込めるかどうかで判断しましょう。答えを書くスペースすらない教材は、余白は圧倒的に足りません。今すぐ作り直しましょう。
「文字壁」という言葉があるように、数百文字の文字列は、生徒たちにとっては、ただの黒いプリントに見えていることでしょう。苦痛極まりないです。
「枚数を増やしたくない」という教師の都合で、余白のない教材を作成するのはやめましょう。いくら枚数を減らしても、生徒のやる気までそいでしまったら、それこそ無駄ですから。
②再利用できない
ノートを兼ねた教材をつくるときに意識したいのは、生徒が再利用できるかどうか。再利用とは、テスト前などに見直せるかどうかということです。
わたしは、ノートを兼ねた教材を作成するときには再利用を意識しているので、その授業内で大切なことは、事前に書いておきます。授業内では線を引くだけ。
なぜなら、重要事項を書き写すのを間違えられると困るから。だから、最初から書いておくのです。配るタイミングさえ考えれば、ネタバレは防げます。
③使い切れない
教材を作り始めると、あれもこれもと盛り込みたくなります。でも、教材作成の時に持ち合わせたいのは「けずる勇気」。授業時間内で使い切れない量の教材は作成しないようにしましょう。
特に問題演習中心の教材では、量が多くなりがちです。どういう人が多くなりがちかというと、教材作成後、自分で解くことをしない人です。
問題演習時間が30分なら、自分が15分でできる量がベストでしょう。自分も30分かかる量の問題を用意していたら、生徒たちにとっては多すぎるということになります。
まずはノルマを決めてやってもらう。早くできた人には追加プリントを渡す。これで、早く終わったからやることがないという生徒の対策もできますよ。
わざわざ作るのだから
塾用の教材にはとても素晴らしいものがたくさんあります。にもかかわらず、自分でわざわざ教材を作成するのだから、生徒にとっても、自分にとっても、有意義なものにしたい。
そのためには、
自分がやっても楽しいか
を意識して教材を作成し、完成した教材を
まずは、自分がやってみる
ようにしましょう。
教材は作って終わりというわけではありません。実際に自分が使ってみて、改善することがあるかもしれません。
それでも、生徒が楽しく学んでくれるのであれば、時間をかけて教材をつくったことが報われた気がします。わざわざ自分で教材をつくるのだから、生徒が楽しんで学べる教材をつくりたいですね。
最後に
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“教材作成の極意。塾講師なら意識したい、たった1つのこと。” への1件のフィードバック