こんにちは。やすひろです。
3月、4月はどの職場にも、新入社員が入ってくる時期ですね。あなたの職場にも新入社員は入ってきたでしょうか?
わたしも数回塾から塾へ転職しているので、そのたびに新入社員を経験しました。そして、年齢を重ねるうちに、新入社員の教育を任される立場にもなりました。
新入社員の教育について相談したときに、かつての上司に言われた一言が、今もわたしの心に残っています。その言葉とは
問題のある人ほど、「問題ない」と言う
その言葉を聞いて以来、わたしは研修を受けて、実務にあたったあとの新入社員に
何か問題はなかった?
と必ず聞くようにしています。
特に問題ありません
と答えたときは、これから少し注意して仕事ぶりを観察する必要があるなと思って見守ります。
「問題ない」が問題
塾講師の一番の仕事は「生徒に授業をすること」で異論はないでしょう。わたしは20年以上塾講師をしてきましたが、自分が授業をしてあとに
完璧な授業ができた
と思うことは、ほとんどありません。反省点を上げたらキリがないくらい、毎回何かしらの問題点に気づきます。
特に、初めて担当する教室や、新入生、体験生がいる授業ではかなり配慮をして授業をするようにしています。それでも、授業後、全く問題がないなんてことは決してありません。
模擬授業しかしたことのない新入社員が、生徒を前にした最初の授業が終わって
何も問題ありません
と感想を言ってきたら、わたしには不安しかありません。
「問題ない」の理由
新入社員が「問題ない」と言ってしまうのには、次の3つの理由があると思います。
①レベル設定が低い
②怒られるのが怖い
③何も覚えていない
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
①レベル設定が低い
このタイプの新入社員は、早めに修正をかけてあげないと、成長する可能性が限りなく低くなってしまいます。
たとえば、「欠席者がいなかっただけで問題なし」ととらえていたり、「寝ている生徒が誰もいなかったから問題なし」ととらえていたり。
他の教師からしたら、あたりまえのことを問題ととらえていて、あたりまえのことをあたりまえにしているだけなのに、「問題ない」ととらえてしまう。それではレベル設定が低いです。
先輩社員が聞きたいのは、
あなただけの問題点なのです
「わたしの授業中に〇〇さんの表情が暗かった」「指名する生徒が偏ってしまった」など、あなたにしかわからないことを聞きたいのです。
新入社員には、そういう教師になってほしいのです。
②怒られるのが怖い
問題には気づいているのですが、その問題を先輩社員に正直に伝えられない。その理由が
怒られるのが怖いから
だとしたら、あなたのしていることは逆効果です。問題点が発覚するまで隠しておくことは、一番やってはいけないことです。バレなきゃいいやは、必ずバレます。
先生が変わって、わかりにくいって言ってるから辞めます
保護者様からそう連絡があったら一発で問題発覚です。先輩社員を一番怒らせるのは、問題に気づいていながら、その問題を報告しないこと。つまり、問題を隠ぺいすること。
新入社員は失敗するだろうと、どの先輩社員も思っています。だから、問題が起きたら、その都度、正直に報告しましょう。伝え方にさえ気をつければ、怒られる可能性は下がります。
日頃から生徒に関することは、先輩社員に情報共有するつもりで相談する癖をつけておくことをオススメします。
③何も覚えていない
はじめて生徒相手に授業をして、緊張しすぎたり、自分のことで精一杯になってしまって
何も覚えていません
となってしまうこともあるでしょう。でも、それと問題がないというのは意味が違います。初めての授業で、頭が真っ白になることもあるでしょう。
だったら、そのことをそのまま先輩社員には伝えましょう。その時は
次はもう少し心に余裕をもって授業ができるようにします
と伝えるようにしてください。「次どうするか」の視点はとても大切です。
問題発見は立派な能力
授業をしては問題点が発覚し、次の授業ではその問題点を解消していく。その積み重ねで、今があるとわたしは思っています。
新入社員のうちは、先輩社員が問題点を指摘してくれます。しかし、一定期間を過ぎたら先輩社員も指摘はしてくれなくなります。
自分が常に成長していくには、自分で自分の問題点に気づかないといけないのです。その問題点を解消することで、成長していくのです。
だから、新入社員の教師には
些細なことにも気づく繊細さ
を持つようにしてほしいのです。そういう繊細さが自身の問題点に気づくきっかけになると思います。そして、どんな些細なことでも自分が問題だと思うことがあれば、先輩社員に伝えるようにしましょう。
問題発見をする力は、とても立派な能力です。あなたが成長していくうえで、必要になる能力です。問題発見能力を伸ばすために、あなたがまずやるべきことは、先輩社員に
何か問題あった?
と聞かれたときに「問題ありません」と答えないようにすることです。どんな些細なことでも具体的に「〇〇が問題です」と答えるようにしましょう。飛躍的に成長できます。
最後に
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